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エンテロウィルスD68で麻痺の恐れも!症状と治療法、予防方法を徹底解説!

エンテロウィルスd68
2015年の8月以降、日本で感染が拡大しているエンテロウィルスD68(EV-D68)

咳や発熱などが主な症状ですが、重症化すると急性弛緩性脊髄炎という筋肉に麻痺(まひ)が起こる場合もある恐ろしい病気です。

昨年アメリカでこのエンテロウィルスD68が猛威を奮い1000人以上の子供が感染、うち14人が死亡しました。今年に入り日本でも感染が確認され、ウィルスが検出された人の中には手足や顔面まひといった症状が現れたという報告も。

エンテロウィルスは通常、夏から秋に流行し冬にかけて収束に向かうケースが多いですが、今年は秋以降も感染拡大の可能性があり、2016年の1月頃までは注意が必要と言われています。

あまり聞き慣れない「エンテロウィルスD68」とは一体どんなウィルスなのか?今回は国内の感染状況とエンテロウィルスD68に感染した時の症状治療法、そして予防するための対処法についてご紹介したいと思います。

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エンテロウィルスとは?「手足口病」もこの一種

「エンテロ」とは腸管という意味で、エンテロウィルスは名前の通り腸内で増殖するウィルスの総称です。

エンテロウィルスは約100種と種類が多く、エコーウィルス群・コクサッキーA群・コクサッキーB群・エンテロウィルス群・ポリオウィルスと大きく5つに分類され、今回検出されたエンテロウィルスD68(EV-D68)はエンテロウィルス群に属します。

エンテロウィルスによる感染症として代表的なのは手足口病ヘルパンギーナ、いわゆる「夏かぜ」と言われるものです。

エンテロウィルスD68の症状は?重症化すると体に麻痺が!

エンテロウィルスD68(EV-D68)に感染した時の主な症状は次の通りです。

  • 発熱
  • 鼻水

軽度の場合は風邪に似た症状ですが、ひどくなると喘息のような発作や肺炎・気管支炎といった呼吸器系に問題が生じます。さらに重症化すると急性弛緩性脊髄炎という身体の筋肉に麻痺(まひ)が起こるケースも。

今のところ、エンテロウィルスD68と身体の麻痺との因果関係は不明で現在調査中ですが、麻痺した子供からはこのウィルスが検出されたことでその関連性が疑われています。

エンテロウィルスD68は新型ウィルス?日本での感染状況は?

ウィルス細胞

エンテロウィルスD68による感染症は近年に突如発生したものではなく、毎年他のエンテロウィルスと共に発生しています。ところが昨年、アメリカでこのウィルスによる感染症が大流行したことで、今年は日本でも感染が拡大したのではと言われています。

日本小児科学会の調査によると、8月から2ヶ月で発熱や咳などの症状の後に子供の身体が麻痺したという報告が21都道府県で47人にのぼり、そのうちの2人からエンテロウィルスD68が検出されました。

また東京都の府中市にある都立小児総合医療センターでは、9月中旬から1ヶ月ほどの間に150人以上の子供が喘息に似た症状で入院、このうち20人以上からエンテロウィルスD68が検出されました。

これまでの感染地域は埼玉や東京といった関東地方に集中していますが、大阪や福岡などの大都市でも感染が確認されています。

エンテロウィルスD68の潜伏期間と感染経路は?

エンテロウィルスD68の潜伏期間は通常3~6日間で、感染経路は咳やくしゃみなどの飛沫感染や病原体が付着した手が鼻や口に接することで感染する接触感染です。

またエンテロウィルスD68は、このウィルスの免疫を持たない小児に感染するケースが多いと言われています。さらにアメリカにおいては気管支喘息の既往がある子供が感染すると重症化する可能性があると言われており、ぜんそくなど呼吸器系に疾患を持つお子さんはとくに注意が必要です。

エンテロウィルスD68の治療法と効果的な予防法は?

手洗い

今のところ、残念ながらエンテロウィルスD68に対する有効なワクチン治療薬はありません。もし感染してしまった場合には、症状に応じた対処療法を行います。

そして感染予防にはインフルエンザなどの呼吸器系のウィルス感染症と同様、こまめな手洗いとうがい、マスクが有効とされています。小さいお子さんはマスクを嫌がることもあるので、流行している時は人が密集している場所などに近づかない方がいいでしょう。

またエンテロウィルスD68はアルコール消毒に抵抗性が強いとされており、ノロウィルスなどと同様、次亜塩素酸の消毒が効果的です。市販の家庭用塩素系漂白剤(ハイター、ブリーチ)を水で薄めて作った消毒液を使うとよいでしょう。

    次亜塩素酸消毒液の作り方

    原液の濃度が5%の場合
    水1リットル(1000ml)に原液(家庭用塩素系漂白剤)を4ml入れる。

    市販の漂白剤(ハイターなど)の濃度は約5%です。
    ペットボトルのキャップは約5mlの容量です。
    計量カップやスプーンがない場合はこのキャップが便利です。

予防には免疫力を上げ病気にかかりにくい体作りを!

野菜

エンテロウィルスに限らずウィルスから身を守るには、日頃から(病気に)かかりにくい身体を作ることが大切です。免疫力をつけておけばたとえウィルスに感染しても症状が軽くすみ重症化を防ぎます。

免疫力を上げるのはそんなに難しいことではありません。毎日バランスのいい食事をとるこれだけです。さらに免疫力をアップさせる食材を取り入れば病気にかかりにくい身体は自然と出来ていきます。ここでは免疫力をアップさせる食材を4つご紹介します。

免疫力アップその1:黒と緑の食材

黒の食材は食物繊維が多く免疫力を高める効果があり、緑の食材は病気になりにくい体を作ります。

黒:海苔、黒ごま、昆布、ひじき、しいたけ など
緑:にら、ほうれん草、オクラ、ピーマン など

免疫力アップその2:発酵食品

発酵食品は腸内発酵を促進し、全身の約6割の免疫細胞が集まる腸管にとても有効な食材です。

ヨーグルト、納豆、キムチ、ぬか漬け など

免疫力アップその3:酸っぱいもの

すっぱいものは殺菌作用や排せつを促して毒性を消す(デトックス)作用があります。

酢、梅干し、レモン など

免疫力アップその4:旬のもの

旬のものには栄養素が豊富に含まれています。

冬ならビタミンCの多いみかん、キノコ類やサツマイモなどは繊維質が豊富。

十分な栄養と規則正しい生活でウィルス撃退!

これからの季節、インフルエンザやノロウィルスといった他のウィルスも心配になりますよね。人はストレスを抱えると免疫力を下げ病気になりやすいと言われています。

様々なウィルスから身を守るためにはバランスのいい食事規則正しい生活(早寝早起き)を心がけ元気に冬をのりきりましょう!