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マイホーム購入時、頭金と手元に残すお金はいくらにするか?

マイホーム購入

マイホームを購入する際、頭金をいくらにするか?住宅ローンの借入額をいくらにするか?悩みどころですよね。また頭金とあわせて手元にいくら残すか?も重要なポイントとなってきます。

例えば頭金に貯金の全額を費やし手元に残すお金がないと、住宅購入時に必要な諸費用やその後の生活にかかる費用が払えなくなる可能性があるため、頭金と手元に残すお金はセットにして考える必要があります。

そこで今回は、頭金の平均相場と頭金がなぜ必要なのか?、そして手元に残すお金の目安についてご紹介したいと思います。

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頭金の全国平均は753万円、でも頭金ゼロが最多

頭金とはそもそもマイホーム購入で住宅ローンをくむ際、最初に現金で支払う自己資金のことを言います。

不動産・住宅情報サイト「HOME’S」の調査によると、2014年の頭金の平均は753万円。頭金ゼロの人が最多の15.4%を占め、一方で1,000万円以上が26.7%と全体の4分の1以上を占めるという二極化の傾向が顕著に表れる結果に。

この調査では年代や物件価格も異なるので、平均額を見て「自分も753万円用意しないといけないのか…」と思う必要はありません。本当に人それぞれです。夫や妻の両親からの資金提供で物件価格の数千万の頭金を入れる人もいれば、頭金ゼロでまるまるローンを組む人もいます。

頭金を入れるメリットは?

では頭金を入れるとどんなメリットがあるのでしょうか?

月々の住宅ローン返済額が少なくできる

頭金(自己資金)をいくらにするかによって、毎月の返済額も変わってきます。例えば、2500万円の中古マンションを購入する場合、自己資金を1000万円にすると、自己資金500万円に比べ、毎月の返済額を2万5294円も少なくすることが出来ます。(金利2.0%、20年返済の場合)

住宅ローンの利息を少なくできる

頭金を多くすることで住宅ローンの借入額も少なくなるので、ローンにかかる利息も少なくなります。上の例と同じ条件で完済までの20年間の利息を比較した場合、自己資金1000万円の方が107万615円も利息が少なくなります。

ローンの審査が通りやすい

頭金(自己資金)が多いと借入する人の評価が高まり、ローンの審査が通りやすい傾向にあります。住宅ローンを取扱う金融機関は多くの金額を借りてもらいたいと思う一方で、この人に貸して本当に貸倒れはないか?という点をよく見ています。

ローンの利率が優遇される

頭金を用意することで金融機関によってはローンの利率が優遇されます。例えば、ネット銀行でおなじみのソニー銀行では頭金を2割用意すると金利の引き下げプランが適用になります。

これは体験談ですが、ある地銀で「頭金をいくらにするから金利をもう少し優遇してほしい」と交渉したところ、後日0.1%引き下げの回答を受けました。頭金は金利引下げの交渉カードにもなると言えると思います。

中古マンションの場合、優先交渉権がもらいやすい

中古マンションを購入する際、購入の意思を示すための仮申込書に頭金(自己資金)をいくらにするか?を記載しますが、人気物件の場合、頭金が多い方が売主への評価も高く、優先交渉権をもらいやすいです。

ただこの場合は、頭金が全額、つまりローンを組まずに満額現金で払う場合に限ります。

頭金ゼロの場合、リスクはあるの?

一方、頭金がない場合はどうなるのでしょうか?頭金ゼロでも購入できる物件は最近では増えてきていますが、次のようなリスクが考えられます。

ローンの借入額が多く、手数料や保証料が高くなる

住宅ローンを組むと事務手数料や保証料というものがかかりますがこれらは借入額によって変わってきます。なかには事務手数料や保証料が一律であったり、費用が免除される場合もありますが、一般的には借入額が少ないほど諸費用も少なくてすむケースが多いです。

売却しても借金が残る可能性がある

頭金ゼロでローンを組んだ場合、将来その家を売却する際、売却価格よりもローンの残高の方が多くなってしまう可能性があります。もしその差額を用意出来ないと売るに売れない状態に。将来的に住み替えなどを考えている場合は、頭金を用意し借入額を少なくしておいた方がいいでしょう。

頭金の目安は物件価格の2割

頭金はゼロよりもいくらかは入れた方がいい。ならば、どれぐらい入れるべきか?頭金は一般的に物件価格の2割用意することがいいと言われています。

この頭金2割というのは、高金利だったバブル期に住宅金融公庫からの融資限度が物件価格の8割だったことや、新築物件に不動産業者の利益やコストが2割ほど含まれていることなどに起因しています。

しかし現在は住宅ローンの貸し出し競争が激しくなり、頭金ゼロや場合によっては諸費用も含めた100%以上を融資する物件も増えてきています。

住宅ローン控除を受けるために頭金は少なく?

またこんな考え方もあります。

1、借入額を多くして住宅ローン控除の恩恵を目いっぱい受ける
2、手元に出来るだけ貯金を残し、自分で資産運用

わが家が頭金をいくらにしようか悩んでいる際、実際住宅ローンを組んでいる人から聞いた「頭金についての考え方」です。

住宅ローン控除は住宅ローンの年末残高の1%を10年間にわたって所得税と住民税から控除するという制度ですが、控除限度額が最大で4000万円(優良物件で5000万円)なので、限度額目いっぱい借りて年間約20~40万円の還付を受けようと考えるのが1の考え方です。

それもアリだとは思いますが、もし1%を上回る金利でローンを組んでいた場合は還付金よりも利息の方が多く支払うことになるため注意が必要です。

そして手元の貯金で資産運用というのも株などで年10~20%の利回りが期待できるのなら話は別ですが、住宅ローンの金利よりも上回る利率で運用しないと意味がないのでなかなか難しい選択のような気もします。

手元に残す金額はどれぐらい?

手元に残す現金

わが家は中古マンション購入の際、夫と意見が分かれました。夫は頭金をなるべく多くして月の返済額や利息の負担を減らしたいという考え方。一方、私はローンの金利が1%を下回るので、住宅ローン控除の枠を最大限活用したいと思っていました。

話合いの末、最小限必要な現金を手元に残し2割以上の頭金を入れることにしたのですが、正直私には不満と不安が残っています。それは手元に残すお金が本当にこれだけで足りるのか?という点です。

頭金を入れることで月々のローン返済額を少なくするといったメリットもありますが、頭金を無理に用意しようとして手元の現金がなくなってしまうと、住宅ローンではまかなえない諸費用(火災保険、税金、登記費用など)や将来の生活費が払えないという事態に陥る可能性もあります。

結局、わが家は生活費の半年分とこれからかかる引越し費用とリフォーム費用、子供の教育費用を算出しそれらを手元に残すことに。

これで足りるかどうかはまだ始まったばかりなので正直よくわかりませんが、夫婦でよく話合い納得のいく金額を手元に残した方が後の不安は少ないかもしれません。

頭金や手元に残すお金に決まりはない

頭金と手元に残すお金をいくらにするかは、家族の人数や家族構成、その家の支出入によっても違うため「これだ!」という明確な回答はありませんが、頭金と手元に残すお金はセットにして考え無理ない資金計画を立てることをおススメします。

くれぐれも「頭金ゼロ、手元に残すお金もゼロ」で家を購入することのないように。。