2016/09/273 Shares

乳がん検診でマンモグラフィーよりもエコーを勧められた2つの理由

先日、タレントの北斗晶さんがブログで乳癌を告白されました。年に1回の乳がん検診を欠かさず行っていたのに乳癌が発見され、手術は乳房の温存ではなく右乳房の全摘出、さらには脇のリンパ節にも転移していたとのことで私もとても衝撃を受けました。

北斗晶さんが自身のブログで「乳がん検診へ行って下さい!」と呼びかけたことで、都内の某婦人科クリニックでは受診者が2倍になったとニュースでやっていましたし、母が先日、乳腺外科を受診した際も医師の数を増やして対応していたと聞き、やはり多くの女性たちが自分のことのように受け止めたのだと思います。

私も30を過ぎてからは毎年検診を受けることにしています。市町村から届く検診の通知は2年に1度ですが、祖母が5年前に、母が2年前に乳癌を患い、遺伝的なリスクも高い気がしたので、市町村の検診に加えて自費で受診しています。

乳がん(浸潤性、ステージ2、リンパ節転移なし)の母、手術からの3年間を振り返ってみた。

ここで質問です。
乳がん検診に行く際、マンモとエコーどっちにしよう?と悩まれたことはありますか?

私はいつも悩みます。ただ「マンモは40代以降」という知識が何となく頭に入っていたので、超音波(エコー)を選んでいました。ところがある日、「たまにはマンモかな」なんて軽い気持ちでマンモグラフィーを受診すると医師からは「あなたはマンモではなくエコーで」と超音波での受診を強く勧められたのです。

今日はなぜマンモグラフィーではなく、エコーを勧められたのか?その理由とマンモグラフィーを受診する際の注意点をお話したいと思います。

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乳腺密度が高いとマンモは不向き

超音波検査

今から遡ること2年前、初めて再検査という結果をもらいました。理由は触診・視診による「硬結触知」。乳房にしこりを触知したというものでした。すぐに治療は不要だが、半年後に再検査という流れに。ちなみに検診を受ける前後に自らしこりを確認することはありませんでした。

半年後、前回の検査では「超音波(エコー)」と「触診・視診」だったので、今回の再検査では「X線撮影(マンモグラフィー)」と「触診・視診」を選びました。というかマンモをやったことがなかったので一度体験してみたかったのです。

検査が終わり、しばらくして主治医の診察で名前が呼ばれます。

先生「レオさん、今回はなぜマンモにしたのですか?」

席につくといきなりやや怒り口調で質問が飛んできます。

私「えっ。あのー、それは前回エコーだったのでマンモグラフィーは受けたことがなく、マンモを一度受けてみたかったので…」

先生「…」

私「…」

先生「レオさんの場合、マンモは向いていません。この(x線)画像を見て下さい。真っ白で何も見えません」

私「はい…(そんなこと言われてもね)」

先生曰く、私の場合、乳腺密度が濃くために全体が白っぽく写り、本来白く写る病変が隠れてしまうそうなのです。そもそも20代や30代の女性は、女性ホルモンの分泌が活発な時期でもあり、乳房が乳腺で張り巡らされるため、白く写りやすいのだそう。

とくに私の場合は乳腺密度が高いタイプのようで、このタイプの人はマンモをやっても雪原で白うさぎを探すようなもので、腫瘍(しこり)が発見しづらいのだとか。

といっても乳腺密度が濃いタイプということが分かったのは、マンモグラフィーを受診したからであって新たな発見があり良かったと思っていますが。。

マンモは被ばくする??

被ばく

では今後どのような検査を受けていけばいいのか?マンモは本当にやらなくていいのか?先生とのやりとりは続きます。

先生「レオさんは今後「超音波」と「触診・視診」で検査して下さい」

私「マンモは?」

先生「たまにでいいです。それにマンモは微量ですが被ばくしますからね。」

つまり、乳腺外科の医師がマンモではなくエコーを勧めた理由は2つです。

・乳腺密度が濃いタイプだから(マンモでは病変が発見しづらい)
・微量だが被ばくするから

乳腺密度が濃いかどうかは人によりますが、被ばくするのは受診者全員に共通することです。ただ被ばくといっても被ばく量はそれほど大きなものではありません。私たちが何もしなくても自然界で浴びる放射線量(被ばく量)は年間2ミリシーベルト(2000マイクロシーベルト)前後と言われていますが、それに対し、1回のマンモグラフィーで浴びる放射線量は100マイクロシーベルト。

例えば、日本から欧米に行くのに飛行機に乗っても多少の被ばくはあるわけで、マンモによる被ばくはとくだん騒ぐ線量ではないかなと個人的には思っています。(成田-ニューヨーク往復した場合、約145マイクロシーベルト)

一方でこんなデータもあります。「2015年度Web版乳癌診療ガイドライン」(日本乳癌学会)によると、1回のマンモグラフィーによる被ばくで発がんするリスクは“ない”か極めて小さく、40歳以上の場合はリスクよりも利益の方が大幅に上回るものの、30歳以下の女性はマンモによる被ばくで発がんリスクが増すケースがあるというのです。

よってガイドラインでは乳癌の罹患率が極めて低い29歳以下の人にはマンモグラフィの検診は受けるべきではないとしています。

自分にあった検査とセルフチェックを!

女性にとって乳がんは生涯で12人に1人が罹患するというから決して他人事ではない病気です。なので、定期的な検診はやはり必要かなと。ただ、検査方法は検診を受ける年齢(20代?30代?40代?50代?)や自分にあったものを選んで受診して下さいね。

また、検診だけでなく、セルフチェックをこまめに行うことも忘れずに!しこりや痛み(チクチク、チリチリなど)、引きつった感じなど気になる症状があれば乳腺の専門医やかかりつけ医に相談されるといいでしょう。

小林麻央さんの乳がん闘病ブログ「KOKORO.」をみて思うこと

ちなみに初マンモの感想ですが、とっても痛かったデス(涙)痛みがないのはやはり超音波(エコー)です。そして再検査の結果は異常なしでした。しこりの原因は一体何だったのかは未だ不明です。